フィジカル・グラフィティでは呼吸法を教えないということは以前紹介した。練習の中から、自分だけの呼吸法を見つけていってほしいということだ

呼吸法というものは、たとえば妊婦が出産する際のラマーズ法など、意識的にリラックスを獲得するのに非常に有効です

ひょっとしたら、促成栽培的な成長を求めるなら、呼吸法を定めたほうがいいのかもしれない

しかし、フィジカル・グラフィティには一人一人の方にオリジナルな生き方をしてほしいという僕の願いが込められている。それぞれが違っていて、それぞれが愛と理由に囲まれて存在している人間であることの素晴らしさに気付く契機になってほしい

そんな綺麗事だけでなく、フィジカル・グラフィティの発展のためにも様々な個性の持ち主が集まったほうが、好都合だ。そして、フィジカル・グラフィティには全てを受け入れるだけの巨大な器がある

それでも、僕にとっては禁じ手であるはずの呼吸法の教えのなかから一つだけ、とても大切で、なおかつ無害な呼吸法を紹介したい

笑うことだ

笑顔になれば、生きるのが楽しくなるよ

無理して顔をひきつらせても意味はない。自然な笑顔になるための楽しさを探すのもまた成長につながる。笑顔だから楽しいのか、楽しいから笑顔なのか、どちらから先にきてもかまわない

笑いとは、他人から認められる必要なしに自分を、あるいは世界まで肯定できる

今まで紹介した技術のなかにも笑いはあったし、あるいはこれらの技術を発展させることによりさらに笑うことのできる縁（よすが）も感じるはずだ

さしあたって、今最高に滑稽なのは、

たかだか武術に関して、こんなにマニアックに追求しているフィジカル・グラフィティそのものだ