これまでも紹介したように、フィジカル・グラフィティでは決められた戦術がなく、その時どう動けばよいかは、個人の感性の委ねられることになる。この自由さこそが面白かったりするのだが、初心者のうちは途方に暮れてしまう方もいると思う

そこでまずは、フィジカル・グラフィティの長所の一つ、片腕であらゆる方向へ攻撃できるという特徴を活かしてほしい

要するに、半身に構えたときに相手の身体に近いほうの腕一本だけで、戦いをコントロールするのだ。イメージ的には、フェンシングを思い浮かべていただきたい

フィジカル・グラフィティでは、片腕だけで、

右上

右下

左上

左下

という、四方向への攻撃が可能なのだから、これだけでかなりのバリエーションが用意されていることになる

そして、このとき相手から遠いほうの腕は、顔やボディを守ることに使う

ときには、それまで防御にしか使っていなかったはずの遠いほうの腕を攻撃に使うのもアクセントとして有効であるが、このとき注意が必要

相手から遠いほうの腕で攻撃する分、当然パンチを打った際にこちらの身体を相手に突っ込ませなければ届かないことになる。このとき距離が離れすぎている場合や、もともとバランス感覚が悪い場合、身体がぶれることや酷い場合は姿勢がくずれてしまうことがある

そうなる恐れがある場合には、いっそ遠いほうの半身を一歩相手に近づけてからパンチを打つのもいいかもしれない。戦略的にも、相手に近づくのはけして悪くない

それとは別に、そもそもバランス感覚に自信がない場合は普段からそれを養う訓練をしておくことも、けして無駄にはならない